TORNADO BOATS

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東亜建設ヨット部コーチ 斉藤愛子さん

シドニー五輪が終わった後、ヨットのコーチをすることになりましたが、海の上で何時間も仕事をするわけなので、ボートを買う
前に他の国のコーチがどんなメーカーのボートを使っているのか調べました。
2001年に海外遠征した時には各国のコーチのボートをチェックして、「トルネード」というメーカーがいいということまではわかり
ましたが、イギリスの会社であることと、注文してから生産しているため、その時はウエイティングリストになってしまいました。
デッキレイアウトも自由に考えることができますので、私の場合はガソリンタンクを作りつけにしてもらい、センターにジョッキー
シート、他の人が乗る場合もあるので前後に2個取り付けてもらいました。
注文表は英語だし、何をどうしたらいいのかというのがわかりませんでしたから、パフォーマンスセイルクラフトに希望を伝えて、
後はメーカーと相談して作ってもらいました。レスキュー艇の場合は荒れた海でも作業ができないといけませんから、ジョッキー
シートの背もたれはいざという時につかまる場所として利用できますし、背もたれに腰をあてて、立ったままニーグリップで波の
中を操船していくことは腰への負担も少なく、快適です。トルネードの一番好きなところは波で跳ねた後、着水する時に衝撃が
柔らかいことでしょうか。自分が急に操船が上手になったような錯覚すら覚えました。
地中海ではもっとバウがあがってスプレーで濡れないボートもありますが、荒れた中での活動には北海で気合入れて働く人々が
開発してきたトルネードが最高です。
レイアウトをオリジナルにしてもらえますから、ダイビングに使う人達は操船シートがあるだけで、後ろの部分にスペースを持つ
ようにしていますし、岸壁につけることが多い使い方をする人達はフェンダーを強化したりしています。私は後部シートの中に
航海計器やPCを入れてヨットレースに必要な風のデータをとったりしていますし、日本では船検備品を収納するスペースが
必要ですから、バウにもタンクをつけてもらい、そこにライフジャケットなどの備品を収納しています。日差しが厳しくて風が
ない時にはパラソルもたてて…
年間で1500時間をこのボートの上で過ごしますから、なるべく快適に使えるように細かい工夫をしています。
自分が買う前にスエーデン、イギリス、オーストラリア、他多くのコーチ達にボートの事を聞いてみましたが、「だまされたと思って
5.4mにしなさい。」と、5.0mか5.4mかで迷っていた私にアドバイスをくれました。
船型が少し違うのですが、実際に乗って、操船してみたら、だまされてみてハッピーでした。強風でも安心して練習に出られる
ようになりましたし、練習が終わった後も疲れが少ないというのはありがたいかぎりです。